『PERSONA(ぺるそな)』の鬼海弘雄さんのご自宅をたずねました。の後編をnoteにupしました。 『世間のひと』(ちくま文庫)から。晩年の父にそっくりな男性(右)と、イッセー尾形の舞台の人物を連想させる男 そんなもったいない、捨てるだなんて、と驚かされた、…
『世間のひと』という、ちくま文庫の写真集があります。いつも身近なところに置いてある本です。 浅草にやってくるフツーのひとたちのポートレイトを集めた本で、一目見たら脳裏に焼き付いてしまう、写真家の鬼海弘雄さんが撮影。 文庫は2014年に出たもので…
お葬式といえば、ぼくらが子供のころは家から棺を送りだしたものだった。 そんな昔を思い出すお葬式に立ち会った。 お葬式を任されたのは、鎌倉自宅葬儀社の馬場偲さん。社名のとおり、鎌倉で自宅葬を推奨する小さな葬儀社だ。 変わっているのは、日にちをか…
会ったこともない他人なのに、なぜか郷愁に誘われる。祖母と従弟の生活を記録した『THE ABSENCE OF TWO』(青幻舎)を出された、 写真家・吉田亮人さんのロングインタビュー(後編)をupしました。 30を前にして、小学校の教員をやめ、写真家になる。ずっと写…
先日、週刊朝日の「書いた人」という書評欄で取材させてもらった、写真家の吉田亮人さん。 記事では、孫と祖母の穏やかな暮らしを撮影した『THE ABSENCE OF TWO』(青幻舎)を出版するにいたった経緯を書きました。 インタビューの際にうかがった細かなことが…
出番を待つ「没イチメンズ」 お寺の地下ホールで催された「没イチ」ファッションショー 楽屋裏。控室にて、人生初メイクを受ける。 「日刊SPA!」に先日東京都港区のお寺のホールで催された「"没イチ"メンズ」のファッションショーの楽屋裏を覗いたルポを書き…
ダンボールに恋した男 捨てられているダンボールを使って、財布や名刺入れをつくりかえるワークショップをおこなっている島津冬樹さんをインタビューした記事が「日刊SPA!」に掲載されました。 nikkan-spa.jp ワークショップの模様 と、いろいろあって、途中…
『こころ傷んでたえがたき日に』を書かれたノンフィクション作家、 上原隆さんのロングインタビューをnoteに載せました👇 note.mu こころ傷んでたえがたき日に 作者: 上原隆 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/08/03 メディア: 単行本 この商品を含むブロ…
noteに掲載した新しいインタビュー記事 "お坊さんになろうと思う、と言ったら、嫁が家を出ていったお坊さんの話" 拙著『父の戒名をつけてみました』の取材でお会いしたのが縁で、父の命日にお参りしてもらうようになったお坊さん。お寺をもたない「インディ…
お葬式業界の変化、すごいです。 不明瞭だ、ぼったくりだ、とまで批判を浴びたのは今や昔の感で、 低料金化の波で、10万円を切る葬儀プランや「早割」まで登場。 昔は「密葬」といっていたのが「家族葬」と呼ぶようになり、規模が縮小。 通夜や告別式を行わ…
長野県上田市。緑の屋根「全国初のドライブスルーのある葬儀ホール」 クルマに乗ったまま、ドライブスルーでお焼香できる、というニュースを見たときは、ああ、ついにここまで来たか。簡略化の象徴のように思ったものだった。 お葬式に行ったのに、ご遺族と…
「かぞくへ」(春本雄二郎監督)という映画を観たのは、渋谷のユーロスペースだった。アンコール上映で、最初の公開時のときには知らなかった。 たまたま別の劇場に置いてあったチラシに、ケン・ローチとヤン・イクチュンを継ぐ若手監督とあったので、どんな…
お葬式って、何のため、誰のためにするものなのか。お坊さんのお経はセットだと思いがち。実際、ワタシが喪主となった父の葬儀は、戒名をワタシがつけたことにより、檀家だった村のお坊さんとの関係がこじれはしたものの、葬儀屋さんのルートで別のお寺のお…
仏壇って、仏壇屋さんで買うものだとばかり思っていた。 え!?驚いたのは、音楽ユニットの「明和電機」土佐信道さんのツイッターに、亡くなられたお母さんのベッドを利用して、ご自身で仏壇を製作されレポートが載っていた。 写真を見ると、木肌を生かした木…
工場もの小説といえば、『OUT』(桐野夏生)と、『照柿』(高村薫)がワタシの中での横綱だ。そこに新たに加えたくなるのが、宮崎誉子の『水田マリのわだかまり』(新潮社)だ。5年半ぶりの新刊で、宮崎さんは「平成のプロレタリア作家」と呼ばれている。 井…
霊柩車っていったい、どこで、どのようにして作られているのか?茨城県にある工場をルポしてみました。4回ものの連載で、転職して工場を運営することになった社長さんの話が「へえー」の連続です。 note.mu
部屋もの本❸ 転居二年目になるがキッチンに立つたび疑問に思うのは、この部屋の換気扇のスイッチは何故、手の届くところにないのだろうか? 先代の住人はどうしていたのか? 賃貸マンションのこの部屋が不思議なのは、ガスレンジを置くスペースの奥にいろい…
『嘘 Love Lies』村山由佳(新潮社)は、第六章がすごい。 「作家生活25年、新たな到達点となる哀切のノワール」とオビに謳った、村山由佳の長編小説。500頁超えだ。 25年かぁ、と購入。分厚いのは苦手なんだけど。1993年に『天使の卵 エンジェル…
「日刊チェンマイ新聞」の「これ、読んだ」という読書コラムで、最近読んだノンフィクションの収穫3冊「ユニクロと選挙とコールセンター」について書きました。 ❶『ユニクロ潜入一年』横田増生、http://www.norththai.jp/ex_html/ma/views.php?id_view=7 ❷『…
部屋もの本その❷ 気づいたら“部屋もの”を好んで読んできた。「借りて住む」暮らしを描いた物語という意味だが、小説だと、『三の隣は五号室』長嶋有、『千の扉』『かわうそ堀怪談見習い』柴崎友香、『高架線』滝口悠生、『霧笛荘夜話』浅田次郎、あたり。 漫…
部屋もの本その❶ このところ「部屋もの」を好んで読んでいることに気づいた。 小説だと、『三の隣は五号室』長嶋有、『千の扉』『かわうそ堀怪談見習い』柴崎友香、『高架線』滝口悠生、『霧笛荘夜話』浅田次郎、あたり。 漫画だと、『椿荘101号室』ウラ…
週刊文春12/14号がポストに入っていた。2017ミステリーベスト10が発表になっている。 わたしも国内部門だけアンケートに答えたけど、圏外の20位以内に三冊入っていたものの、10位以内には一冊もなく、何をナゾとして面白がるかの小説を愉しむポイントが違っ…
「ラモツォの亡命ノート」(小川真利枝監督)を観た。 ラモツォという、チベット出身の30代の女性と家族のドキュメンタリー映画だ。 チベットについて知っていることといえば、ダライ・ラマと中国が強く干渉しているくらいの大雑把なことぐらいで、何も知ら…
『おクジラさま ふたつの正義の物語』佐々木芽生(集英社) 映画『ザ・コープ』で世界の注目を浴びた紀州南端の漁師町・太地町にニューヨーク在住の日本人女性ジャーナリストがカメラを持ち込んだ、ドキュメンタリー映画『おクジラさま』の舞台裏を綴ったノン…
【お知らせ】 「ウラカタ伝」というブログで、『三里塚に生きる』につづき、『三里塚のイカロス』を撮られた監督の代島治彦さんをインタビューしました。「三里塚」は現在の成田空港の千葉で、1966年、国の一方的な政策決定に対して「農地死守」を掲げ、空港…
『わたしたち The World of Us』ユン・ガウン監督・脚本 最初、小学生(5年生くらい?)の女の子のアップが何分間かつづく。「じゃんけんぽん」 掛け声がして、名前が呼ばれる。そしてまた、じゃんけんぽん。名前が呼ばれる。そしてまた… その間、女の子は目線を…
石原まこちんさんを「書いた人」(「週刊朝日」2017年8/4号)で取材したときのこと 小学館の担当編集Nさんからインタビュー場所に提案してもらったのは、多摩川のお好み焼き店だった。仕事場か喫茶店とかホテルのラウンジが定番だが、夕方のお好み焼き店とい…
2017年7月19日、佐藤正午さんが直木賞を受賞された。 めでたい!! 家の中をひっくり返して、週刊文春の「「家」の履歴書」の切り抜きを読み返してみた。2002年12.12号だから、佐藤さんお会いしたのは15年前のこと。編集者と二人で佐世保にいったのをよく憶え…
ブログ・インタビュー新連載 「葬儀屋、はじめました。」をはじめました。 拙著『父の戒名をつけてみました』の続篇というか、ひょんなことから付き合いができた、町の葬儀屋さんのインタビュー連載をはじめました。ふつうだけど、変わっています。覗いても…
目にしたくない。なのに読んでしまった。二度も。というのが『かわうそ堀怪談見習い』柴崎友香(角川書店)だ。 ワタシは幽霊よりも、虫が苦手。だからどんなに田舎暮らしに憧れがあっても、できっこない。理科の教科書は、載っている蜈蚣や蜘蛛の類のせいで…