佐藤正午さんと「「家」の履歴書」
めでたい!!
家の中をひっくり返して、週刊文春の「「家」の履歴書」の切り抜きを読み返してみた。2002年12.12号だから、佐藤さんお会いしたのは15年前のこと。編集者と二人で佐世保にいったのをよく憶えている。
インタビューはマンション近くの喫茶店で行った。いま考えるとずいぶん贅沢な取材だった。行き帰りは飛行機で一泊。夜空いているならと、佐藤さんの行きつけの居酒屋で晩飯を食べ、さらにクラブに連れていってもらった。佐藤さんの同級生で、五島列島だったかな、島の小学校で校長先生をしているひとがたまたまいま戻って来ているからと一緒になって、少年時代の話を聞いたりした。もう中身は覚えていないが、初対面の人と飲みにいったりするのが苦手だったのが、やけに愉しかったのを覚えている。
親近感を抱いたのは、ぼそぼそと声が小さいことだった。録音機を前にして、大丈夫ですか?と聞かれた。
翌日は、佐世保の図書館に行き、郷里の作家コーナーにあった佐藤さんのポートレイト写真を見た。漁港の市場だったかを背景に、立っていてる姿が精悍だった。作家になる前に、たくさんの履歴書を書いたという。アルバイトの職場のひとつだったのか。
取材の趣旨は、昔暮らした家の記憶を順を追って聞いていくものだったが、転居の回数は少なく、まだ何者でもない、作家としてデビューするまでの日々のことが中心になった。「野呂邦暢」という作家を覚えたのは、佐藤さんに教わってからだった。もうひとつ、トーストにうすくスライスしたリンゴをのせて食べるようになったのも、佐藤さんを取材してからだ。
葬儀屋さんのインタビューをはじめました。
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拙著『父の戒名をつけてみました』の続篇というか、
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