わにわに

朝山実が、読んだ本のことなど

恥ずかしかながら…

    発売中の「婦人公論」2/24号に、ダンスプロデューサーの夏まゆみさんのルポを書きました。モーニング娘。やAKB48の振り付けをされてきたひとです。

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 三ヶ月くらいの間、「新日鉄住金エンジニアリング株式会社」での社内講演会やNHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」などに図々しく、取材を受けたりされているところについていったりしました。「密着です」と先々で紹介していただきました。

 

 ダンスといえば、小学校のフォークダンス。ずっと下を見て、いま㊨なんだっけ㊧なんだっけと足をバタバタしていたのを思い出し冷や汗がでるくらいで、生涯縁ないものと考えてきましたが、それなのに……?

 もうだいぶ前にラジオでしゃべっている声の感じがよかったのと、はじめて舞台か何かのパンフレットに「振付:夏まゆみ」と載っているのを見て、すごくうれしかったというのを聞いて興味をもったんですよね。素直に口にできるところが。

 ワタシ、ガードがつよくてダンスの先生を取材するなんて、これまでだとありえなかったことでした。わざわざ苦手なものをするなんてねぇ。でも、やったことないし、苦手だからおもしろいかも。そういうふうに思わせてくれたのは、そのときのラジオのしゃべりの声が大きかったと思いますね。間のとり方とか含めて、声というのは、そのひとをよくあらわすものですから、きっとこのひとはおもしろいんじゃないかと。まだ何も知らずに。

 

 そうそう、夏さんが教えるダンス教室でレッスンも受けてみました。1回だけですけど。

「踊れないひとはいない。しゃべりながら手を動かしたりするのもダンス。もともと、ダンスはことばのないころに気持ちを伝えるためのもの。だからコミュニケーションツールなんです」

 なんて話されて、エグザイル=ダンス、でもないんだな。「そうです。いろんなダンスがあるんです」、へー、なんて、相槌をうつうちに、どんどん手繰り寄せられてたんでしょうね。

 長野オリンピックの振り付けなど、いろんな大きな仕事をしてきたけれども、いちばん力を入れてきた拠点が、だれもが参加できる教室ですといわれたら、虎穴に入らずば、で体験してみるかとカメラマンも編集者も(いずれも女性)、ぜひ参加しましょうよと積極的だし……。

 でも、当日、行ってみてびっくり。

   生徒さんは全員女性で、「ああ……」。しまったというのが顔に出ていたんでしょうね。レッスン開始前に顔をあわせた夏さんから、

「きょうのアサヤマさん、こないだとぜんぜん違いますね。すごく口数すくないし」

   ニコニコ顔で、言われ、

「そうですか。こないだは初対面の打ち合わせだから、けっこうしゃべったんだと思います。でも、いま、なんかアウェイなところに来ちゃったなぁという感じで。踊ったことないし」

「大丈夫、だいじょうぶ。生徒さんはもう何年もやっているひともいれば、先月始めたひともいるし。踊れなくても、みんな自分もちょっと前はこうだったと思って、上達を感じるくらいで、それに自分のことでせいいっぱいで目なんて気にならなくなるから」

 たしかにそうでした。

 びっくりするくらい、レッスン中はついていくことに精一杯。まったく視線が気にならないわけではないけど。それより、準備運動をみっちりするのだけど、身体が硬くて、ヘトヘト。もうすぐ還暦だしね。そっちに落ち込みました。

   気になったといえば、着替えをこそこそと個室のトイレでしたこと(女性用のロッカー室は用意されているので、男は例外だったんでしょう。とは知らず……ハハハ)という気まずさを除くと総じて居心地はわるくなかったですね。そういう空気づくりを、時間をかけて作ってきたんだというのは、後のインタビューとかで飲み込めたので、ムダじゃなかったし、ルポもそのシーンからはじめさせいただきました。

 

エースと呼ばれる人は何をしているのか

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   三屋裕子さん、吉本興業の泉正隆さん、サンマーク出版の綿谷翔さん、ナツ・ファンキーハーツの木原秀樹さんにもお話しをうかがいました。ありがとうございます。

担当編集者は、三浦愛佳さん。撮影は山本倫子さん。

インタビューライター・朝山実 近著 『父の戒名をつけてみました』(中央公論新社) 『アフター・ザ・レッド 連合赤軍兵士たちの40年』(角川書店) 『イッセー尾形の人生コーチング』(日経BP社)etc. 不定期連載 「日刊チェンマイ新聞」"朝山実の、という本の話" http://www.norththai.jp/