わにわに

朝山実が、読んだ本のことなど

山田清機さん、おぼえておこう!

『東京タクシードライバー』山田清機著、(朝日新聞出版)を読んでいる。

AERAの「現代の肖像」でときおり見かけたことのある書き手で、タクシードライバーたちをインタビューしたノンフィクション。

前職をずっと聞いていく。スーツアクター(着ぐるみに入って演技する)をしていた女性とか、そのまま勤めていたら一部上場企業の部長くらいになっていたかも、というひとなど、人生いろいろ。いまがタクシードライバーというのはわかっているものの途中が予測外だったりして、面白い。辞めかたに、そのひとがよくでている。

気負いのない文体もいい。短編小説を読むよう。まだ途中だけど。

「長いあとがき」もいい。生き下手というか、著者がなぜこのひとたちを、タクシードライバーという職種を対象に選んだのか納得する。

てっぺんだとか旬だからという人選じゃない、逆眼。

 

東京タクシードライバー

東京タクシードライバー

 

 

インタビューライター・朝山実 近著 『父の戒名をつけてみました』(中央公論新社) 『アフター・ザ・レッド 連合赤軍兵士たちの40年』(角川書店) 『イッセー尾形の人生コーチング』(日経BP社)etc. 不定期連載 「日刊チェンマイ新聞」"朝山実の、という本の話" http://www.norththai.jp/