わにわに

朝山実が、読んだ本のことなど

「誰が言ったか? オイ、それはキミツだよ!」

セクハラやじ、言ったのも問題だけど、 近くの席で聞いていたのに不問の態度を選んだ議員はさらに問題だと思うなあ。見ざる聞かざる言わざる、てか。 て思っていたら上手がいた。 特定に及び腰のマスコミに、 自党と名指しされるのは不謹慎だと逆に凄みをき…

ウラモトユウコが面白い。

【わにわに書庫】 ウラモトユウコ『椿荘101号室』①②(マッグガーデン)から ウラモトユウコの『椿荘101号室』①②(マッグガーデン)は、人生初のひとり暮らしをはじめる若い女性のハナシ。同棲していた男から「別れてくれ」と土下座をされてやむなく……というのだ…

坂東眞砂子さんや岡圭介さんのこと

タイのチェンマイに住み、手広く仕事をしている奥野安彦さん(元・硬派系カメラマン)のwebで、書評のようなコラムのような、「……という本の話」を連載している。 http://www.norththai.jp/ きのう更新したのが、坂東眞砂子さんの『眠る魚』(集英社)で、坂…

きょう発売の週刊朝日の週刊図書館の「書いたひと」で、『境界の町で』(リトルモア)を書かれた 岡映里さんのインタビュー記事が載りました。 震災後に福島を長期取材した、というより、そこにとけこんだ元週刊誌記者が書いた、私小説とノンフィクションの間…

バラク、バラク、バラク、

集団的自衛権の論議は「安保条約」とセットで考えるべきこと、 という論者に、なるほど、と思う。 アメリカにしてもらうだけでいいのか、日本も同盟国なんだからアメリカが有事の際は貢献しないと、いざという時に守ってもらえないよ、という対等にリスクを…

いましろたかし、と、アレクサンダー・ペイン …… 受け入れるということについて

【わにわに書庫】 『ぼけまん』いましろたかし、から、(KADOKAWA) 『ネブラスカ』(アレクサンダー・ペイン監督)という映画を観た。100万ドルをもらいにコロラドからクルマで遠路を出かけていく老父と息子の話だ。 やめなさい、見え透いた当選詐欺…

すき家の社長さん

仕事で軽井沢に行った。新幹線の駅前に、ブランドショップが軒を連ねるところがあり、時間があったので覗いてみた。ぶらついている観光客の半分くらいが、韓国、中国、台湾あたりから来たひとたち。夕飯に入ったカツ丼の店は、5時過ぎと中途半端な時間とあ…

ファーブルとこうの史代

【わにわに書庫】 観察するひとについて… セミのことを調べようとして、『ファーブル昆虫記③セミの歌のひみつ』(奥本大三郎訳・解説、集英社)を読んでみた。知らないことがいっぱいあった。 セミにもいろんな種類があるのは知っていたけれど、シャーシャーと…

ヘン、でこそ、人。

【わにわに書庫】 『世間のひと』鬼海弘雄著・写真 ちくま文庫 良い映画をたくさん観るのも必要だが、プロとなるには、駄作とされる映画を観なきゃいけない、と言ったのはドナタだったか……。 たまに小説の新人賞の下読みをおおせつかるのだが(仕事の乏しいラ…

事件もの

拙著『アフター・ザ・レッド 連合赤軍 兵士たちの40年』(角川書店)が、「本の雑誌」2014年6月号の“特集=事件ノンフィクションはすごい”の中で、とりあげてもらっています。仲野徹氏との名刺ジャンケンのように本を紹介しあう対談の場に、書評家の東…

「わたしの神様」(樹木希林・主演)から…

樹木希林がすごい!!! 自分のことだから…、自分で責任もってやるという生き方 かんたんそうでなかなかよういでない。 「神宮希林 わたしの神様」(伏原健之・監督、東海テレビ放送制作)は、女優の樹木希林さんが、伊勢に旅するドキュメンタリー映画だ。撮影さ…

ルポ・・・

現代の肖像 尾木直樹 (eAERA) 作者: 朝山実 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2014/04/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「AERA」の「現代の肖像」に書いた以前のものが電子書籍になりました。 「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹…

『セトウツミ』此元加津也、から…

【わにわに書庫】 『セトウツミ①』此元和津也、秋田書店、 「ハラダ親子」が気になる、クールでウエットな“相棒”マンガ。 これは、ふたりの高校生男子が、川べりに腰かけて掛け合いマンザイのようにダベっている。究極それだけのマンガ。でも、オモシロイ! …

船戸与一と『斬』

「週刊現代」5/24号で、船戸与一さんをインタビュー(書評欄「わが人生最高の10冊」)したのが掲載されています。 船戸さんは、満州国の歴史をたどった『満州国演義』(新潮社)にこの数年とりかかられていて、仕事場は資料がいっぱい。若いころ本を読まな…

気になるといえば

ノリはどうなるんやろう。 横浜ベイスターズの中村紀洋選手だ。 試合中の起用をめぐって、監督に楯突いために一軍登録を外され、二軍に落とされたという。以前にも同様のことがあったので、監督は二軍でも試合に出すなと言明したとか。ぶちキレたってことか…

近藤ようこ『五色の舟』から…

【わにわに書庫・マンガ】 『五色の舟』 近藤ようこ・漫画 津原泰水・原作 KADOKAWA 畳をバン!と叩いて、 「ではもう死んだでいいではないですか! 私が弔います!」 時代は戦争中の日本。腰のあたりで身体がくっついたまま生まれた双生児の少女が…

『繕い 裁つ人』池辺葵から…

【わにわに書庫・マンガ】 『繕い裁つ人⑤』 池辺葵、講談社 「ほしい」と思うのはなぜなんだろう……。 これからは「ほしい」と思うものだけを求めようと思った。残り少ない人生だし。 これは町の洋裁店のハナシ。祖母のあとを継いで、古風な(見方によっては古…

インタビューライター・朝山実 近著 『父の戒名をつけてみました』(中央公論新社) 『アフター・ザ・レッド 連合赤軍兵士たちの40年』(角川書店) 『イッセー尾形の人生コーチング』(日経BP社)etc. 不定期連載 「日刊チェンマイ新聞」"朝山実の、という本の話" http://www.norththai.jp/